堀内正樹先生の「中東の旅からー堀内センセのわせだ講義」の連載第1回をお届けします!堀内先生の2020年の早稲田大学での講義録です。
第1回は旅の準備「フィールドワークって何なんだ?」広くて深くパノラミックなフィールドをお楽しみください!

連載開始にあたって、信州イスラーム世界勉強会 板垣雄三代表の「ご紹介と御礼」、堀内正樹先生の「自己紹介」を11月19日付Blogに掲載しています。画面を☟にスクロールしてご覧ください。

☞ 「中東の旅からー堀内センセのわせだ講義」連載第1回はこちらから!


          

信州はそろそろ初氷・初雪の便りが聞かれ、久方ぶりに信州らしい冬になりそうな気配です。インバウンドのお客様も増えてきました!ヒジャーブ(スカーフ)をつけたお客様にも会いました。
信州イスラーム世界勉強会e-定例会では、堀内正樹先生の「中東の旅から—堀内センセのわせだ講義」が始まります。e-定例会では初の連載企画!掲載に先立って、信州イスラーム世界勉強会板垣雄三代表によるご紹介と御礼、堀内先生の自己紹介を掲載します。月2回のぺースで勉強会のホームページに掲載します。旅とフィールドワークの魅力満載のお楽しみに!


◆◆◆ご紹介と御礼◆◆◆

これより連載される堀内正樹「中東の旅から—堀内センセのわせだ講義」(全10回)は、堀内正樹さんが2020年春に成蹊大学教授を退かれた直後、早稲田大学から求められて行なった講義「中東・イスラームのフィールドワーク」(パンデミックの状況下のオンライン連続講義)の参加者用資料として書かれた「講義ノート」です。この講義は次の年もコロナ禍に対応するためにまったく違った形で行われ、昨年度終了したということです。
研究者としての自己形成、社会人類学者としての歩み、についての語りが、壮大なパノラマとして、これからイスラーム世界について学ぼうとする者に、眺望・ルート選択・道しるべを授けてくれるでしょう。信州イスラーム世界勉強会のウエブサイトで再録転載することをお許しくださり、その公開のため必要最低限の調整作業までしてくださったことに対し、堀内先生に衷心よりお礼を申し上げます。また、以上のような展開につき、了承してくださった早稲田大学関係者にも感謝を申し述べます。2022/11/20 信州イスラーム世界勉強会 代表 板垣雄三



◆◆◆自己紹介◆◆◆

  私は1952年に上諏訪(長野県諏訪市)の柳町という所に生まれ、そこで幼少期を過ごし、諏訪市内の  高島小学校に入りました。途中から下諏訪町に引っ越したので下諏訪小学校に転校し、そのまま下諏訪中学校に進みました。中学の勉強は面白くなかったので、週末になると友だちと二人で茅野や富士見の畑を駆け回り、考古学少年を気取って土器や石器の「発掘」に夢中になりました(畑のお百姓から「こら!畑を荒らすな」と何度怒鳴られたことか)。そしていまだに忘れられないのが故藤森栄一先生との出会いです。藤森栄一といえば全国に名を知られた大考古学者ですが、中学生の私にはそんなことはよくわからず、「隣町の考古学のおじさん」くらいに思って、身の程もわきまえずにご自宅に押しかけたのです(1965年頃)。高島小学校に登って行く坂道の途中にある「やまのや旅館」というのがご自宅で、先生はどてら姿で出てこられ、嫌な顔もせず、書斎に招き入れて、一介の中学生の相手を真摯にしてくださいました。そのとき私は「考古学者になりたいのですが、どうしたらいいですか」というバカな質問をしたのです。すると先生は「土器掘りはあとでいいから、今は高校に入る準備をしなさい」と諭されました。その後先生のすごさを認識するにつれて、顔から火が出る日々と相成ったわけです。


 高校は諏訪清陵高校に入りました。生意気盛りですから「諏訪の平みたいな狭いローカルなところで暮らすのはイヤだ」と、高校が終わったら東京へ出ることにしました。考古学への夢はいつしか霞んでゆき、大学は東京外国語大学のアラビア語学科を選びました。「こんな言葉をやろうとする人間はそう多くはないだろうから入りやすいだろう」というのと、たまたま見た映画『アラビアのロレンス』がじつにカッコよかったという、軽薄な理由からです。ところが入学した大学の授業もまた面白くない。そんななかで唯一印象深かったのが、板垣雄三という人の中東近現代史の授業でした。情熱と反骨精神が溢れていたからです。「面白い!こりゃあ、実際に現地へ行ってみなけりゃ始まらんぞ」と思わされました(なお、板垣先生はすぐに東京大学へ移ってしまいました)。大学のつまらなさに加えて、「ローカルなものはイヤだ」といって東京へ出たのに、東京もまたローカルの集まりだということがわかったとき、今度は「日本にいたってしょうがない」と思ったのです。そして海外放浪の旅に出たのですが、どこに行っても目にするのはローカルばかり。そこでハタと思い至ったのが、もしかしたらローカルこそがユニバーサルなのかもしれない、ローカルから離れたところに広いユニバーサルな世界があるなんてのは幻想じゃなかろうか、ということでした。
 しばらくして、こんな漠とした思いを真面目に扱えそうな人類学という分野があるということを聞き知って、ならばそれをやってみようと人類学を専門とする大学院を探したのですが、東京には二つの大学しかありませんでした。東京大学の文化人類学研究室と東京都立大学の社会人類学研究室です。東京大学は今と違って、当時は通称「煙突型」といって自分の大学の学部を出た人しか実質的に受け入れないところだったので、必然的に残る都立大学に「はみ出し者」が全国から集まりました。私もそんな一人として都立大学の大学院(社会科学研究科社会人類学専攻)を出ました。以来「社会人類学、中東地域研究」を専門分野に掲げて旅と研究を続けてきました。また幸運にもこの看板で教員として雇ってくれる大学があり、二松学舎大学文学部に4年(専任講師)、広島市立大学国際学部に7年(助教授・教授)、成蹊大学文学部に18年(教授・特任教授)、勤めることができました。2020年の春に退職して、今はフリーの身になっています。
 今回、この数十年間に考えたことをまとめた私の拙い『講義ノート』を信州イスラーム世界勉強会が公開してくださることになりました。故郷との縁が復活する喜びもさることながら、勉強会代表の板垣雄三先生が、かつて信州諏訪というローカルな場所を拠点としてユニバーサルを追求し続けた藤森栄一先生のご自宅からさほど遠くない同じ諏訪市内に居を構えて、ユニバーサルな知見を発信し続けているのを見ると、私の中ではなにか因縁めいたものを感じます。

 
 最後に、私がこれまでに編集や執筆に携わったおもな本を挙げますので、関心のある方はご覧いただければ幸いです。

●『講座 世界の先住民族─ファースト・ピープルズの現在─ 04 中東』(松井健・堀内正樹編)、明石書店。2006年。
●『アラブの音文化─グローバル・コミュニケーションへのいざない』(西尾哲夫・堀内正樹・水野信男編)、スタイルノート。2010年。[第28回 田邉尚雄賞(東洋音楽学会)受賞]
●『<断>と<続>の中東─非境界的世界を游ぐ』
(堀内正樹・西尾哲夫編)、悠書館。2015年。
●『サハラの旅1974』(菊岡健・清田浩義・堀内正樹 共著)、東京図書出版。2021年。





大変ご無沙汰しています。コロナ第7波が漸く落ち着き、秋の観光シーズンで、長野県も漸く人の動きが活発化してきました。インバウンドの観光客もかなり見かけるようになってきました。ウクライナ情勢や円高・値上げの秋と、気になることの多い昨今ですが、そんな世相を吹き飛ばすべく
松本市美鈴湖オートキャンプ場「もりの国」で、2022もりの国まつりが開催されます。テーマはズバリ「モンゴル!」

もりの国国王、若林悠平氏は信州イスラーム世界勉強会の会員。「モンゴル放談会」にも参加されています。いつもお世話になっている、駱駝舎主人 川村光郎氏も登場されます。
事前申し込みが必要なイベントにですので、参加ご希望の方は、こちらの予約ぺーじから
                               ☞▶イベント概要・予約ページ https://misuzuko.net/topic/topic-1218

■ 日 時:2022年11月13日(日) 9:00~15:00 2022もりの国まつり
■ 場 所:松本市美鈴湖オートキャンプ場 もりの国
■ もりもりモンゴショー 11月13日 12:00~14:00
  【モンゴル民謡とモンゴルの暮らし】  佐々木ハスゲレルさん
    モンゴルで広く親しまれる民謡の演奏とモンゴルの人々の「衣食住」に関するお話し
  
    【モンゴルと日本の緑の架け橋】    佐々木勲さん
    モンゴル特産品である毛織物の生産と草原の砂漠化。砂漠化に対する緑化のお話し
  
    【モンゴルの乗りもの】          岡本真祐子さん
     四駆からラクダまで、『乗る』ということについてのお話し
  
    【馬頭琴とモンゴル民謡】         R.Gスチントさん
     馬頭琴の演奏とモンゴルの民謡歌唱

  【1968年 ハルヒラ初登攀の探検談】 川村 光郎さん
     自然との対峙や観天望気の視点についてのお話し   
                
          イベント詳細はこちらから
          イベント詳細 https://www.nap-camp.com/nagano/12232/event_dtl/?campsite_event_id=1399 
          インスタ情報 https://www.instagram.com/m.m.m.camp/



         

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