信州イスラーム世界勉強会のe-定例会の連載企画「中東の旅から―堀内センセのわせだ講義」の連載第8回をおとどけします。
ホームページ上に記載しながら、6月3日の定例会御案内とも重なり、Blogでの告知が遅れてしまいました。大変、お待たせしました。

中東のフィールドワークの旅もいよいよクライマックスを迎えます。モロッコから更に南へ。西サハラへ、モーリタニアへ。旅の視界も一気に
広がります。

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大変お待たせしました。堀内正樹先生の「中東の旅からー堀内センセのわせだ講義」の連載第6回をお届けします!堀内先生の2020年の早稲田大学での講義録です。エジプト、シナイ半島のベトウィン調査に即して、「方法論的全体主義(Theoretical Wholism)」や「構造主義」が批判的に語られます。

~本文より~
現場で書き取ったフィールドノートを埋めているたくさんのバラバラな事柄の多くは「報告」には拾い上げられずに、放置されたままになっています。音楽のこと、魚取りのこと、造船のこと、菜園の作り方、薬草のこと、料理や食材、排便のしかた、下ネタ、噂話・・・。(中略)こうした事柄は本当はひじょうに豊かな情報なのですが、あまりにも具体的かつ個人的であるためにテーマ化するのが難しいのです。(中略)こうしたジレンマはシナイ調査に限らず、他でもいつも経験してきました。残念なことに、こうした豊かな事柄は「残余経験」のほうに入ってしまうんですよね。

では「それじゃだめだ」となったとき、どういう報告(民族誌)が書けるのか。それについては次回以降モロッコでのフィールドワークをお話しするときに考えてみることにしましょう。


春めいてきた休日午後の読書に最適です。お楽しみください!

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  ハマーダ族の部族会議
  1992年 8月 第2次調査より

信州イスラーム世界勉強会 e-定例会第26弾は、若林啓史先生(京都大学博士)の「新たなユーラシア時代」です。
ウクライナ・ロシアの共通の祖先である「キエフ・ルーシ」とモンゴル、モンゴルとロシア、ユーラシア大陸を俯瞰する視点から、ウクライナ紛争にも新たな光が当たります。今、必読の論考です。
  
 「新たなユーラシア時代」の本文はこちらから
                   ☞ 新たなユーラシア時代.pdf へのリンク

若林啓史先生には、e-定例会第21弾「イスラームが育んだ宝石学」も寄稿していただいています。





  オストロミール福音書 本文より

堀内正樹先生の「中東の旅からー堀内センセのわせだ講義」の連載第5回をお届けします!堀内先生の2020年の早稲田大学での講義録です。講義はいよいよ佳境に入ります。1991年~1999年にかけて実施されたエジプト、シナイ半島のベトウィン調査についても講義が始まります。今回は、調査の概要と現地の「公安」との調査許可をめぐる緊迫したやり取り等からなる貴重な記録です。どうぞお楽しみください。
 
  
  ハマーダ族の部族会議
  1992年 8月 第2次調査より

堀内正樹先生の「中東の旅からー堀内センセのわせだ講義」の連載第4回をお届けします!堀内先生の2020年の早稲田大学での講義録です。今回は、地図作成のお話。地図作成~凡例の話題から、「基礎数学」~「構造主義」~「直観主義数学」~ヴィトゲンシュタインからアラン・チューリングへ、講義内容は壮大に展開します。是非、ご一読ください。

❖ 来る1月28日(土)14時より松本市の信毎メディアガーデンで、レクチャーコンサート「クルド音楽の誘いーレクチャーと演奏」が開催されます。参加無料・どなたでも参加いただけるレクチャーコンサートです。詳しい情報とお申し込みは、勉強会のサブブログ「イベントニュース」から ☞ 信州イスラーム世界勉強会 イベントニュース (naganoblog.jp)

関連ツイッター ☞ 日本中東学会 JAMES
関連FACEBOOK ☞ 信毎メディアガーデン 



信州イスラーム世界勉強会2023年最初の企画(e‐定例会第25弾)は、佐藤幸男富山大学名誉教授『<文明>と<野蛮>の交差路としての太平洋:ニューカレドニア・アラブ人の「静かなる痛み」とその生活世界』です。佐藤先生ご自身による解説「イスラーム世界への窓~<文明>と<野蛮>の交差路としての太平洋 自己解題」も併せて掲載しています。天国に一番近い島「ニューカレドニア」の秘められた歴史とニューカレドニア・アラブ人の静かな痛み。混迷の世界情勢とも響き合う論考です!

❖ 『<文明>と<野蛮>の交差路としての太平洋:ニューカレドニア・アラブ人の「静かなる痛み」とその生活世界』の本文はこちらから

❖ 『イスラーム世界への窓~<文明>と<野蛮>の交差路としての太平洋 自己解題』はこちらから
         ☞ 『イスラーム世界への窓」


○●○●○●○● 佐藤幸男先生 略歴 ○●○●○●○●

佐藤幸男(さとうゆきお)
1948年東京生まれ、暁星高校卒。明治大学政治経済学部卒、明治大学大学院政治経済学研究科修了。
1979年、広島大学総合科学部(平和科学研究センター)講師、名古屋大学大学院法学研究科助教授を経て、
1995年より富山大学教育学部教授、富山大学大学院教育学研究科教授。富山大学人間発達科学部教授、
富山大学大学院人間発達科学研究科教授、富山大学大学院芸術文化研究科教授を歴任。
2013年定年退職(富山大学名誉教授)。
現在は、早稲田大学総合学術研究機構平和学研究所招請研究員ならびに広島大学平和センター客員研究員。
2018年より長野県軽井沢町に転居し、現在は長野県民、信州イスラーム世界勉強会会員。

専門領域:第三世界論、平和研究、アジア太平洋国際関係史。 

関心分野:植民地主義論、ニューカレドニア研究、群島世界論。

主な著作:
『世界史のなかの太平洋』(編著)国際書院
『ローカルと世界を結ぶ』(酒井啓子編グローバル関係学7)岩波書店                
『<周辺>からの平和学』昭和堂など
                                                           
筆者近影(ニューカレドニアにて)  
                                                                                                                  

堀内正樹先生の「中東の旅からー堀内センセのわせだ講義」の連載第3回をお届けします!堀内先生の2020年の早稲田大学での講義録です。いよいよ「フィールドワーク」が始まります。今回は1973年~1974年に行われた「サウジアラビア ヒジャーズ地方でのベドウィン調査」について。本年最後の更新になります。お楽しみください!



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調査に同行したアブー・アーイシュ翁と筆者(本文より)
                      


堀内正樹先生の「中東の旅からー堀内センセのわせだ講義」の連載第2回をお届けします!堀内先生の2020年の早稲田大学での講義録です。いよいよ中東の旅が始まります。

第1部は
バグダード~カナキン(イラク)から、イラク・イラン国境を超える旅(1972年1月) イラン・イラク戦争以前の両国国境線を超えるスリリングな旅です。

第2部は
日本人の若者4人が愛車「赤坂小町」号を駆って、ドイツミュンヘンからケニアのナイロビ迄4か月間のわたる車中泊の旅を背景にしたお話(1974年9月末~1月末)。旅について、「報告」について、「事実」について、旅に考えさせられたことの記録です。


サハラ砂漠で砂に埋もれた「赤坂小町号」 1974年(本文より)
                      


堀内正樹先生の「中東の旅からー堀内センセのわせだ講義」の連載第1回をお届けします!堀内先生の2020年の早稲田大学での講義録です。
第1回は旅の準備「フィールドワークって何なんだ?」広くて深くパノラミックなフィールドをお楽しみください!

連載開始にあたって、信州イスラーム世界勉強会 板垣雄三代表の「ご紹介と御礼」、堀内正樹先生の「自己紹介」を11月19日付Blogに掲載しています。画面を☟にスクロールしてご覧ください。

☞ 「中東の旅からー堀内センセのわせだ講義」連載第1回はこちらから!


          

信州はそろそろ初氷・初雪の便りが聞かれ、久方ぶりに信州らしい冬になりそうな気配です。インバウンドのお客様も増えてきました!ヒジャーブ(スカーフ)をつけたお客様にも会いました。
信州イスラーム世界勉強会e-定例会では、堀内正樹先生の「中東の旅から—堀内センセのわせだ講義」が始まります。e-定例会では初の連載企画!掲載に先立って、信州イスラーム世界勉強会板垣雄三代表によるご紹介と御礼、堀内先生の自己紹介を掲載します。月2回のぺースで勉強会のホームページに掲載します。旅とフィールドワークの魅力満載のお楽しみに!


◆◆◆ご紹介と御礼◆◆◆

これより連載される堀内正樹「中東の旅から—堀内センセのわせだ講義」(全10回)は、堀内正樹さんが2020年春に成蹊大学教授を退かれた直後、早稲田大学から求められて行なった講義「中東・イスラームのフィールドワーク」(パンデミックの状況下のオンライン連続講義)の参加者用資料として書かれた「講義ノート」です。この講義は次の年もコロナ禍に対応するためにまったく違った形で行われ、昨年度終了したということです。
研究者としての自己形成、社会人類学者としての歩み、についての語りが、壮大なパノラマとして、これからイスラーム世界について学ぼうとする者に、眺望・ルート選択・道しるべを授けてくれるでしょう。信州イスラーム世界勉強会のウエブサイトで再録転載することをお許しくださり、その公開のため必要最低限の調整作業までしてくださったことに対し、堀内先生に衷心よりお礼を申し上げます。また、以上のような展開につき、了承してくださった早稲田大学関係者にも感謝を申し述べます。2022/11/20 信州イスラーム世界勉強会 代表 板垣雄三



◆◆◆自己紹介◆◆◆

  私は1952年に上諏訪(長野県諏訪市)の柳町という所に生まれ、そこで幼少期を過ごし、諏訪市内の  高島小学校に入りました。途中から下諏訪町に引っ越したので下諏訪小学校に転校し、そのまま下諏訪中学校に進みました。中学の勉強は面白くなかったので、週末になると友だちと二人で茅野や富士見の畑を駆け回り、考古学少年を気取って土器や石器の「発掘」に夢中になりました(畑のお百姓から「こら!畑を荒らすな」と何度怒鳴られたことか)。そしていまだに忘れられないのが故藤森栄一先生との出会いです。藤森栄一といえば全国に名を知られた大考古学者ですが、中学生の私にはそんなことはよくわからず、「隣町の考古学のおじさん」くらいに思って、身の程もわきまえずにご自宅に押しかけたのです(1965年頃)。高島小学校に登って行く坂道の途中にある「やまのや旅館」というのがご自宅で、先生はどてら姿で出てこられ、嫌な顔もせず、書斎に招き入れて、一介の中学生の相手を真摯にしてくださいました。そのとき私は「考古学者になりたいのですが、どうしたらいいですか」というバカな質問をしたのです。すると先生は「土器掘りはあとでいいから、今は高校に入る準備をしなさい」と諭されました。その後先生のすごさを認識するにつれて、顔から火が出る日々と相成ったわけです。


 高校は諏訪清陵高校に入りました。生意気盛りですから「諏訪の平みたいな狭いローカルなところで暮らすのはイヤだ」と、高校が終わったら東京へ出ることにしました。考古学への夢はいつしか霞んでゆき、大学は東京外国語大学のアラビア語学科を選びました。「こんな言葉をやろうとする人間はそう多くはないだろうから入りやすいだろう」というのと、たまたま見た映画『アラビアのロレンス』がじつにカッコよかったという、軽薄な理由からです。ところが入学した大学の授業もまた面白くない。そんななかで唯一印象深かったのが、板垣雄三という人の中東近現代史の授業でした。情熱と反骨精神が溢れていたからです。「面白い!こりゃあ、実際に現地へ行ってみなけりゃ始まらんぞ」と思わされました(なお、板垣先生はすぐに東京大学へ移ってしまいました)。大学のつまらなさに加えて、「ローカルなものはイヤだ」といって東京へ出たのに、東京もまたローカルの集まりだということがわかったとき、今度は「日本にいたってしょうがない」と思ったのです。そして海外放浪の旅に出たのですが、どこに行っても目にするのはローカルばかり。そこでハタと思い至ったのが、もしかしたらローカルこそがユニバーサルなのかもしれない、ローカルから離れたところに広いユニバーサルな世界があるなんてのは幻想じゃなかろうか、ということでした。
 しばらくして、こんな漠とした思いを真面目に扱えそうな人類学という分野があるということを聞き知って、ならばそれをやってみようと人類学を専門とする大学院を探したのですが、東京には二つの大学しかありませんでした。東京大学の文化人類学研究室と東京都立大学の社会人類学研究室です。東京大学は今と違って、当時は通称「煙突型」といって自分の大学の学部を出た人しか実質的に受け入れないところだったので、必然的に残る都立大学に「はみ出し者」が全国から集まりました。私もそんな一人として都立大学の大学院(社会科学研究科社会人類学専攻)を出ました。以来「社会人類学、中東地域研究」を専門分野に掲げて旅と研究を続けてきました。また幸運にもこの看板で教員として雇ってくれる大学があり、二松学舎大学文学部に4年(専任講師)、広島市立大学国際学部に7年(助教授・教授)、成蹊大学文学部に18年(教授・特任教授)、勤めることができました。2020年の春に退職して、今はフリーの身になっています。
 今回、この数十年間に考えたことをまとめた私の拙い『講義ノート』を信州イスラーム世界勉強会が公開してくださることになりました。故郷との縁が復活する喜びもさることながら、勉強会代表の板垣雄三先生が、かつて信州諏訪というローカルな場所を拠点としてユニバーサルを追求し続けた藤森栄一先生のご自宅からさほど遠くない同じ諏訪市内に居を構えて、ユニバーサルな知見を発信し続けているのを見ると、私の中ではなにか因縁めいたものを感じます。

 
 最後に、私がこれまでに編集や執筆に携わったおもな本を挙げますので、関心のある方はご覧いただければ幸いです。

●『講座 世界の先住民族─ファースト・ピープルズの現在─ 04 中東』(松井健・堀内正樹編)、明石書店。2006年。
●『アラブの音文化─グローバル・コミュニケーションへのいざない』(西尾哲夫・堀内正樹・水野信男編)、スタイルノート。2010年。[第28回 田邉尚雄賞(東洋音楽学会)受賞]
●『<断>と<続>の中東─非境界的世界を游ぐ』
(堀内正樹・西尾哲夫編)、悠書館。2015年。
●『サハラの旅1974』(菊岡健・清田浩義・堀内正樹 共著)、東京図書出版。2021年。





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