講演会「韃靼の志士~日本とイスラーム世界を結んだ男」 いよいよ明日開催です。

「韃靼の志士~日本とイスラーム世界を結んだ男」いよいよ明日開催です。お申込みは以下のhpから。(思い立ったらふらりと立ち寄られても、聴講可能です!)


日本の国際戦略の出発点は、イスラーム世界の庶民の心と暮らしとを知ることから始まりました。日清戦争直前、ベルリンから騎乗でシベリアを横断した壮挙で有名な福島安正(1852~1919)、 信州松本が生んだ明治日本のインテリジェンスの草分けが、今あらためて見なおされています。彼が日清戦争後の1895年から97年初めにかけて中央アジアからアラビアへと遍歴した記録を、読みあわせ学びあう自主的読書会(定員制)を作るため、ここに立上げの講演会を計画しました。小松先生(節々で指導して下さる予定)が ユーラシアを舞台に日本・イスラーム関係史の全体像をつかむことを助けるお話をしてくださいます。講演を聴くだけの方も、読書会はどうしたものか様子見の方も自由なご参加大歓迎です。                                    
     信州イスラーム世界勉強会 代表 板垣 雄三


今 福島将軍に学ぶ
 今の時代に「将軍」の出現は、亡霊か時代錯誤のたわ言と言われそうだが、松本市出身の福島安正将軍(1852-1919年)はちょっと違う。生家跡の遊園地は一方通行道路だらけで下級武士が多く住んだ人家密集地の中で子供の貴重な遊び場。みんな「福島将軍へ行く」と親しんだ。
戦争にも関係するが、今でいえば冒険家で有名だ。世界に名を馳せたのは単騎シベリア横断。ドイツ公使館付きの任務を終え92(明治22)年、ベルリンからウラジオストックまで1万4000キロ、488日間、氷点下40度もある過酷な体験をした。
さらにインド横断、エジプト、トルコを回りペルシャ、中央アジアなど生涯4度の大旅行を行った。
安正に親しみを感じるのは子供時代の極貧から大将、男爵になる苦労と努力だ。自身も「家すこぶる貧にして」学資尽き塾僕となり、大声を出して読書し、1月の寒さを凌いだーなどと書いている」。その結果英語、ドイツ、フランス、ロシア語などをマスターした。
安正は全国を回ってこれらの冒険や貧困体験を講演、青少年に剛健練磨を説いた。松本もたびたび訪れ、1914(大正3)年松本小学校男子部の5000人を前に「寒気には耐えられたが書物を買えなかったのがつらかった」と話した時は、身を震わせ起立したまま約20分間言葉を詰まらせたという。
「長野県教育が下り坂、狭隘になってきた。子供の頭に余裕を持たせたい」(松本平タウン情報「松本市100年」、小松芳郎氏著)と願った。
生家近くには最近、立派な公園ができ安正の事績は忘れられてきているが、信州イスラーム世界勉強会は、早い段階にイスラーム圏に入り人々と接した日本人として、安正が何を感じたかなどを知る読書会を計画している。有志のご参加をお待ちしている。
第1回は26日(土)午後1時半―4時、松本市中央1のⅯウイングで小松久男東大名誉教授の講演「韃靼の志士―日本イスラーム世界を結んだ男」を開く。講演、質問後、読書会の開き方、進め方を相談。参加費一般1000円、学生500円。
問い合わせ、申し込みは信州イスラーム世界事務局迄(☎50-5514fax0263-33-9133 松本市埋橋1-8-7アルプスシャツ内)
                         信州イスラーム世界勉強会 事務局長 黒田 重夫



読書会第1回は講演会です~読書会の発足をめざして

講演  「韃靼の志士~日本とイスラーム世界を結んだ男」                    講演会「韃靼の志士~日本とイスラーム世界を結んだ男」 いよいよ明日開催です。

講師   小松久男 東京大学名誉教授・東京外語大総合研究院特任教授
と き   11月26日(土)午後1時半~4時
ところ   松本市Mウィング中会議室(松本市中央1-18-1) 松本駅から徒歩5分
参加費  一般1000円 学生500円


お申し込みはこちらから  icon15
 http://www.shinshu-islam.com/contact2/contact.html 


講師からの言葉

明治42年(1909年)、ロシア生まれのタタール人アブデュルレシト・イブラヒム(1857-1944)が日本を訪れた。彼は帝政ロシア領内のムスリム(イスラーム教徒)はもとより、ほとんどヨーロパ列強の支配下に置かれていたイスラーム世界の解放をめざす汎イスラーム主義の活動家であった。当時の日本の新聞・雑誌が「韃靼の志士」と呼んだ彼は、日露戦争に勝利した日本をイスラーム世界の盟友と認め、イスラーム世界の地政学的な重要性を説きながら、伊藤博文や大隈重信、犬養毅らを含む日本の政治家やアジア主義者たちと親交を結んだ。一方、参謀本部もまた日本の対外政策を立案する立場からイブラヒムに関心をもち、接触をはかった。ちなみに彼の旅行記『イスラーム世界―日本におけるイスラームの普及』(イスタンブル、1912年)には、当時参謀次長の要職にあった福島安正(松本市出身、1852-1919)とおぼしき人物も登場する。この福島氏は日本からもメッカ巡礼者を出すべきだと力説するのだが、じっさい東京外国語学校ロシア科出身の山岡光太郎(1880-1959)が、イブラヒムに同行してメッカ巡礼をはたすことになる。イブラヒムの訪問は日本とイスラーム世界との初期の出会いとして注目に値する。今回は、彼の日本紀行を収めた著書『イスラーム世界』と日本のジャーナリズムの記事とを比べながら、明治末の時代の空気を探ってみたい。

講師略歴

1951年東京生まれ。東京教育大学・東京大学大学院で中央アジア史を専攻するが、まだソ連時代であった ため、現地での研究はできず、1978年、中央アジアと歴史・文化的に関係の深いトルコに留学。アンカラの古本屋で最初に買った本が、イブラヒムの『イスラーム世界』。アラビア文字のオスマン・トルコ語の本ながら、頁を開くと古い日本の写真がいくつも出てくるので、興味を覚えて購入したもの。ただし、しっかりと読むのはそれから8年後のこと。最初の勤務校は東海大学文学部で、この間の1991年にソ連が解体して中央アジア諸国は独立。以後、現地での研究調査や交流を重ねている。1992年トルコ語専攻を創設した東京外国語大学に移り、96年には東京大学文学部に転任。在職中は総合的な地域研究、イスラーム地域研究の 事務局長、拠点代表を務め、文学部長の任が終わる直前に学内で3.11を経験した。その後、2012年日本ではじめて中央アジア専攻を開設した東京外国語大学に「出戻り」して現在にいたる。東京大学名誉教授、 日本学術会議会員(第一部幹事)


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